ランニングと膝痛の関係:知っておくべきこと

最初に結論からお伝えします。

  • 短期的(数年ほど)には、ランニングは変形性膝関節症の進行とは関連がないといえる。
  • ランニングをしていない人は、
    ランニングをしている人に比べて、人工膝関節置換術に至るリスクが高い
  • ランニングによって、長期的には膝関節痛を予防する可能性がある

 ランニングを始める時、40代以降の人たちは心配事がいくつかありますよね。
その中でも一番心配なのが、膝を痛めてしまうことではないでしょうか?
確かに、ランニングを初めたばかりの頃に膝が痛くなった経験はありませんか?
そんな時、「やっぱりランニングは膝に悪いんだな」と思ってしまう人も多いかもしれません。

今日はその心配を少しでも軽減する内容ですので最後まで読んでください

私もランニングすると膝が痛くて不安だった

私がランニングを始めたときは45歳くらいでした。最初は1キロ走ると違和感が出てきて、2キロくらいで膝が痛くなってきました。3キロ走ると、もう痛くて歩かないといけないくらいでした。

また、私は20代後半に50ccのスクーターで交通事故に遭い、左膝の後十字靭帯を切断しました。後十字靭帯は断裂しても放置していることが多いので、断裂したままです。そのため、左の膝はグラグラしているんですね。なので、ランニングによって膝を痛めてしまうのではないかという心配もありました。

しかし、この調査を聞いて、非常に安心しました。

紹介する論文

Effects of Running on the Development of Knee Osteoarthritis: An Updated Systematic Review at Short-Term Follow-up

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9983113/

日本語では「変形性膝関節症の発症に対するランニングの効果短期追跡調査における最新の系統的レビュー」です。

この報告は、ランニングをしている人としていない人の2つの群を比較したものです。ランニングをしている人は約7000人、していない人も同じくらいの人数でした。
平均年齢は、ランナー群で56歳、非ランナー群で61歳でした。また、男性の割合が58%でした。

この調査から、

短期的にはランニングは変形性膝関節症の悪化と関連がなかったことが分かりました。むしろ、ランニングが膝痛を予防する可能性が示されたのです。

短期的とはどのくらいかというと、この調査では、ランナー軍の平均的な追跡期間が約4年半でした。

つまり、少なくともこの期間では、ランニングによって膝の状態が悪化することはなかったということです。もちろん、より長期間の追跡調査が必要ですが、今回の結果からは、ランニングをすることで膝の状態を改善する可能性があると考えられます。

ランニングを始めたばかりの多くの人は、膝が痛くなります。そのとき、「やっぱりランニングは膝に悪いんだ」と勘違いしてしまうのは、仕方のないことです。膝が痛くなるのは、走りすぎや負荷がかかりすぎているからです。無理をしすぎず、休養を挟んで距離を短くしたりすることで、ランニングを継続することができます。

ランニングを継続することで得られるメリットは非常に大きいです。体重の減量や筋力のアップ、心肺機能の向上など、健康にさまざまな効果があります。また、ストレス解消やリフレッシュ効果も期待できます。

ちょっと膝に痛みを感じただけで、ランニングをやめてしまうのはもったいないことです。知識を身につけて、正しい方法でランニングを続けていきましょう。

シェアしてくれるとうれしいです!